富山市(富山) 戸田峰(1227.0m) 2021年3月20日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:45 廃林道入口−−6:37 廃林道終点−−6:39 斜面取付−−6:51 作業道−−6:56 尾根に出る−−7:03 874.0m三角点峰西−−7:49 1002m峰−−8:25 1084m峰−−8:42 戸田峰 9:18−−9:31 1084m峰−−9:58 1002m峰−−10:38 874.0m三角点峰西−−10:47 尾根を離れて西斜面から作業道へ−−10:54 廃林道−−11:31 廃林道入口

場所富山県富山市(旧八尾町)
年月日2021年3月20日 日帰り
天候晴後曇 南風強し
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場廃林道入口付近に除雪された駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無標高800m付近以下は雪が消えて笹藪が出ていたがさほど濃くない。それ以降は残雪に埋もれて藪は皆無
危険個所の有無無し
山頂の展望富山平野方向が開ける
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コメント昨年から考えていた戸田峰に挑戦。約1ヶ月前の水無山と違って雪は締まって完全に残雪期だが標高が低いところはもう雪が消えて藪が出ていた。今回はスノーシューを持っていったがワカンで十分な雪質だった。前日の物と思われる足跡があり、その他にも古いスノーシューの跡があったりと残雪期には比較的良く登られる山らしい。後半は地形が緩やかで特に下山時はルートに注意。雪の上に足跡が残らない場合は真面目に読図しないと尾根を外しやすい。ただし目印が多いので気を付けていれば外してもすぐに分かる。山頂は富山平野方面と槍穂方面に開ける。山頂標識は無かった




広い駐車余地。峠の東側直下 峠に廃林道入口あり。濡れた路面は凍ってツルツル
廃林道は舗装道路らしいが路面がまともなのは最初だけ 周囲に雪は無いのに廃林道だけ雪がある
ここだけ灌木藪が生い茂る 行き過ぎて林道終点。周囲に残雪無し
雪の残る小さな谷を登ることに 急斜面で雪が消える
小尾根に乗るが雪無し。でも藪は薄い 尾根西側直下の作業道
作業道から尾根に繋がる残雪で尾根へ 尾根に乗ったら雪が無い!
尾根上には目印が多い 比較的新しい足跡。おそらく前日の物
標高840m付近。やっと雪がつながるようになる 874.0m三角点峰西の肩。赤い目印が多い
830m鞍部付近。再び藪が顔を出す 877m標高点付近
標高950m付近でスノーシュー装着 1002m峰
1002m峰から1020mを見ている 1040m峰
スノーシューで股まではまった穴 1060m峰
1070m鞍部から山頂方面を見ている 1070m鞍部から久婦須川方面を見ている
比較的新しいワカン跡。たぶんツボ足の主だろう 1110m肩付近
1120m付近 歩いてきた尾根を振り返る
標高1150m付近。ここだけ雪が少ないのか? 1170m峰から山頂を見ている
1180m付近。古いスノーシュー跡も見える。少なくとも3人分の跡 山頂直下のみ立山劔方面が大きく開ける
立山、劔岳拡大
まもなく山頂 戸田峰山頂。山頂標識は無かった
戸田峰山頂から北〜東の展望
戸田峰山頂から黒部五郎岳、槍穂方面 風が強いのに空気の透明度が悪い
戸田峰山頂から富山平野方面 山頂付近のこのブナ根元の穴に入って風を避けて休憩
山頂の気温は-2℃。強風で体感はずっと低い 往路のスノーシュー切替場所。足の沈み量の差が分かる
ルート上には自然の杉が多数みられる 廃林道に下る手前でスノーシューを脱ぐ
789m峰への登り。ここで左に巻いて作業道へ 作業道。帰りはこれを辿ることに
雪が無い場所は笹が茂る 廃林道に出た
登りだと鋭角に戻るように作業道が上がっている 廃林道から見た戸田峰。僅かに山頂が見える
廃林道から見た戸田峰(拡大)。ここだけ真っ白 小井波地区は大きな畜産施設が占めている
廃林道入口 駐車余地


・戸田峰は富山/岐阜県境近くの富山側の山。標高は1200m程だが登山道は無く、地域的、標高的に考えれば濃い根曲り竹の藪に覆われている可能性が高く、雪がある時期に登るのが常識的判断だろう。実は昨年秋の無雪期に登ろうかと出かけたのだが、近くの標高800m強の洞山に登って根曲り竹藪に遭遇して無雪期は無謀だと悟り、残雪期に切り替えたのだった。

・雪がある時期は車でのアプローチを考慮すれば北側の小井波集落と久婦須川沿いの桐谷集落を結ぶ車道の峠しかあり得ない。この車道は真冬でも除雪されるので通行可能。ここから南側の尾根に取り付くのが常套手段だ。ただし、季節が進んで雪が少なくなったら峠から延びる廃林道を使うことも可能。今回はおそらく廃林道を使うことになるだろう。

・久しぶりに土曜日は晴れの予報で戸田峰を決行する。長野から遠いのが難点で睡眠時間確保のために富山平野の市街地のみ北陸道を使った。富山ICを降りて県道を南下して久婦須川沿いに進み、桐谷集落で橋を渡って小井波集落方面へ。ここは夫婦山へ登った時に使った道である。思ったよりも残雪は少なく道路脇にはほとんど雪が無い。どのくらいまで標高を上げれば雪が出てくるだろうか。深夜の今は真っ暗で周囲は見えず山肌の残雪状況は不明である。

・廃林道起点である峠の東側直下に広い駐車余地がありそこに駐車。道路脇には除雪した雪がまだ残っていて、この駐車余地は積雪期でも除雪されているようだ。ここで仮眠。夜中に車の通行は皆無だった。小井波集落は実際には集落ではなく大きな畜産施設が占めている。まあ、常駐している人はいるかもしれないが。

・翌朝、朝飯を食って出発。気温は高めで寒くはない。冬装備はどうするか悩んだが、日中の気温がかなり上昇しそうな予報でありワカンではなくスノーシューにし、地形図を見た限りではヤバそうな痩せ尾根などは無さそうなのでアイゼンは持たず、念のためにアルミの軽ピッケルを持つことにした。先週、破損に気付いた防寒長靴は釣具店でまだ販売していたのでゲットしておいた。既に一般のホームセンターには冬物はなくなっていた。

・廃林道の出だしは舗装道路だが、濡れているように見えた路面はツルツルに凍っていてコケそうになり、道路の端を歩いて雪の上へ。長靴のままでもほどんど潜らないほどよく締まった雪であり、しばらくはスノーシューはザックの背中のまま。ザックは重いが足が軽くて助かる。雪の上には薄らとではあるが明らかに複数の足跡が残り、特にツボ足で数cm沈んだ足跡は新しく、おそらく昨日のものであろう。この山はシーズン中にどのくらいの人数が入るのか知らないが、この様子からしてそこそこの人数が入っているようだ。

・廃林道は舗装道路だが舗装の路面が出ているのは最初だけで、その後は灌木が生えているくらいだからダートなのだろう。周囲に雪が無いのに廃林道のみ大半は雪に覆われていて不思議な光景だ。最初の方は残雪の量は大したことはなく、どうせなら雪が無い方が歩きやすそうだ。1か所だけ派手に灌木に覆われた箇所があるが、ここは藪が完全に埋もれるのは2m以上の積雪が必要であり、おそらく厳冬期も灌木藪が顔を出しているだろう。その後はほとんど藪は無く雪の上を歩いていく。積雪した林道だと残雪状況によってはアイゼン、ピッケルが無いと通過が危険な場所があったりするが、今回の廃林道ではそのような個所はなく長靴のまま安全に歩けた。小規模なデブリはあったが支障なし。

・ネットの記録では廃林道終点より手前に作業道入口があり稜線まで作業道が達しているようだが、雪さえあれば作業道は無視して適当に尾根に登ればいいだろう。しかしほぼ水平に伸びる廃林道をいくら進んでも廃林道上以外にほとんど雪が無い。作業道が見つからないと最初から藪漕ぎになりそうだ。作業道入口を気にしながら歩いたが気付くことなく廃林道終点まで来てしまった。ここで斜面に残雪があれば問題ないのだが廃林道以外は雪が無い。仕方ないのでUターンして作業道入口を探しながら戻ることにしたが、小さな沢で雪が残っている箇所を発見。どこまで雪が繋がっているのか不明だがここを登ることにした。

・日が高くなってきた影響か谷筋の雪は柔らかく踏み抜いて長靴に雪が入ってしまう。傾斜がきつくなると残念ながら雪が消えてしまうが藪は濃くないのでそのまま強引に登り続ける。小尾根に出ると杉の植林でここも雪は無いが藪は薄い。さすがにこの時期になると富山のこの標高でも杉花粉が飛んでいて目の痒みを感じるが、関東での花粉最盛期と比較すれば天国のような花粉の少なさだ。この程度なら飲み薬だけでも我慢の範囲だ。

・小尾根を登って5分ほどでほぼ等高線に沿って左右両側に雪の帯が延びている箇所に到達。斜面にこれだけきれいに雪の帯が直線的に残るということは道のはずであり、どうやらこれが作業道らしい。帰りはこれを辿ってみるか。

・作業道を右(南)へ僅かに歩くと鞍部らしく尾根が接近した箇所があったので残雪を伝って根上へ出てみたが雪が無い。ただしこれまでと同程度の藪の濃さなので問題は無い。目印が見られるのでこの尾根はそれなりに歩く人が多いようだ。さて、雪が繋がるのはどこまで標高を上げてからだろうか。この付近も杉の植林帯である。

・尾根上は杉の植林帯で日当たりが悪いが既に笹が生えている。標高は700mを越えているので笹があっても不思議はないか。これが関東ならこの標高の植林帯なら間違いなく藪は皆無だろう。残雪があっても10cm程度で足を乗せると雪が割れて地面まで沈むので、この程度の藪では雪の上よりも雪が無い場所の方が楽に歩けるので雪を避けながら進んでいくが、標高840m付近で一時的に明るい自然に変わる場所から雪が繋がり出して一安心。もっと高度が上がれば完全に藪が埋もれているだろう。

・874.0m三角点峰西側肩を掠めて進路は右へ。肩には赤いペイントの目印が複数あった。雪の上には廃林道でも見たツボ足のトレースが続いていていい目印になる。その足跡の沈んだ深さよりも今沈む深さの方が深くてコンスタントに足首程度まで。いくら季節が進んで残雪期に入ったと言ってもまだ早いようだ。どこまでツボ足で頑張るか悩んだが、1002m峰手前の標高950m付近でスノーシューに切り替えることにした。さすがにスノーシューではほとんど潜らなくなったが、この程度の沈み方ならワカンで十分だった。雪が柔らかくラッセルが深い場合はスノーシューでないと体力を消耗して目的地に達しない可能性があるが、ある程度雪質が良ければワカンでもスノーシューでも沈み方は変わらず、より軽量なワカンの方が体力の消耗は少ないし急な下りにも強い。しかし事前に雪質を完全に予想するのは困難なのであった。

・この尾根は思ったよりも杉の人工林の範囲が広く、たまにブナの自然林が出現するがすぐに人工林に変わる。でも一部には根元から幹が分裂した太い天然の杉が混じっていて、植林の際に全て伐採したわけではないらしい。

・この尾根は標高930m付近を過ぎると尾根が広くなだらかになり、微小ピークがいくつもあってそこから枝尾根が分岐するため真面目に読図しないと枝尾根に引き込まれそうになる。特に下りは要注意。こんな時に目印や先人の足跡が役に立つが、それでも油断すると外してしまう。特に足跡が残りにくい雪質の場合は要注意。往路では先人の足跡のおかげで地形図を広ける必要は無かったが、トレースが無かったら地図とにらめっこだっただろう。

・次々と小ピークを越えていくが、なだらかで特徴に乏しい地形の連続で読図が難しい。植生もほとんどが杉で見晴らしが無く変化に乏しい。こんな山奥にまで植林されているのは驚きだ。

・1084m峰南側の1070m鞍部で久婦須川方面の展望が開ける。ここから見える範囲の久婦須川に達する谷筋は雪に埋もれて真っ白であり、もしかしたら久婦須川沿いの林道は雪が消えて通行可能だったら林道からこの谷沿いを登るのもいいかもしれない。そうすれば距離はかなり短縮できるはずだ。

・1070m鞍部からの登りは久しぶりにまとまった登りなので現在位置の把握に役立った。標高1150m付近ではブナの根開きで地面が見えた箇所があったが、積雪量は50cm以下であった。根開きしているのはこの付近ではこの木だけであり、おそらくこの木の付近だけ積雪量が少ないのであろう。地面が見えない場所では積雪量の推測が難しいが、ブナの様相からして1〜2mの間ではなかろうか。

・1170m峰で行く先には逆光の山頂ピークが見えていた。この先はなぜか細い幹のブナが林立状態で、まるで一度伐採した後に再生したような。この斜面には3つのトレースがあり、最も新しいのはワカンで、おそらく尾根下部で見たツボ足の主が途中からワカンに替えたものだろう。スノーシューの跡は私と同じMSRのものと見られるがかなり薄く、数日前以前のものだろう。一番古い跡は大きな凹みで雪が締まる前のラッセル跡だ。これだけ沈んだのでは相当きついラッセルだったに違いない。その大きさからしてスノーシューと思われた。

・戸田峰直下で左手斜面が大きく開けて立山、剱岳方面の展望が得られた。今日は天気はいいが空気の透明度はイマイチで、デジカメの液晶ではほとんど山の姿が確認できないくらい薄かった。立山、剱岳方面が良く見えたのはこのコースではここだけだった。

・やや急な雪面を登りきると戸田峰山頂であった。緩い地形の連続で読図に自信が無かったが、この先にはここより高いピークはなく、ここが間違いなく山頂であった。予想外に山頂標識は皆無で、山頂近くの唯一のブナに2か所目印が巻かれているだけであった。富山平野方面はブナが無く展望が開け、槍穂方面も狭いながら展望があったが立山劔以上に霞んでしまい、デジカメを向けても槍が入っているのか液晶画面で全く分からいほど。帰宅後に確認したらかろうじてフレームに入っていたが大きく下にずれていた。その他の方向はブナが邪魔をして展望は良くない。

・予報通り日本海の前線に向かって強い南風が吹いて山頂も強風。気温が高いかと思ったが体感は非常に寒く、温度計を見たら-2℃。今日の富山の予想最高気温は+17℃くらいだと記憶しているが、それと比較して山頂の気温は異常に低い。富山の気温が高いのは南風が入りフェーン現象が起きているからだと思うが、山を吹き降りる前は空気の温度が低く下界との温度差が大きくなるのかもしれない。

・気温よりも風による体感温度の低下の方がずっと強いため風を避けて休憩したいが、山頂部は平坦で風除けが無い。しかし1本だけある太いブナの根元の雪が凹んでいて人が入るのにちょうどいい深さと広さであり、ここで風を避けることに。ブナの風下側は日影になってしまうが仕方ない。スノーシューを脱いで昼飯を食う。出発から山頂まで約3時間だったがラッセルがほとんど無かったので楽だった。残雪期は未踏の藪山がメインなのであまり高い山は登らないので、これからの季節は新雪がよほど積もらない限りはきついラッセルは無いだろう。次回はワカンでもいいかな。

・飯を食い終わって下山開始。もしかしたら誰か登ってくるかと思ったがすれ違う人は皆無だったし雪面に新しい足跡は無かった。迷いやすい区間では地図も見ずに往路の足跡を忠実には追わず適当に歩いたら枝尾根に入りかけたことがあった。緩やかな地形の場所では安易に歩いてはすぐにルートを外してしまう。

・帰りは日が高くなり気温が上昇して往路より雪が緩んでいるだろうと、ギリギリまでスノーシューで歩いたため最後の方は雪を求めて尾根を外れて歩いたりして、810m峰手前の800m鞍部までスノーシューを使った。ここまで下ると周囲にはほとんど雪は無くなり、810m峰へは登らずに左手の斜面を巻き気味に僅かに下ると往路の作業道に合流。帰りはこれを忠実に辿ってみることにした。一気に下っていくのかと思ったらイライラするくらい高度を下げずにごく緩やかなトラバースを続け、ヘアピンカーブで反対に向きを変えて短い距離で再びヘアピンカーブで北に向きを変えて緩やかに下っていく。雪が消えた区間では腰くらいの笹が茂っていたが高密度ではなく大きな障害にはならなかった。林道近くまで下ると周囲にも残雪が見られるようになり作業道が埋もれてルートが判別できなくなり、既に左下に見えている廃林道に適当に下った。廃林道に出て数10m北側に作業道入口があったが、往路から見ると逆戻りするように鋭角に左に上がっていて、前を見ているだけでは発見しにくい。

・残りは廃林道歩き。往路では雪が良く締まってほぼ沈まなかったが帰りはコンスタントに足首まで沈んで足が重い。スノーシューを使おうかとも考えたが所々で雪が無い区間があり脱着が面倒なのでツボ足のまま歩きとおした。ここまで下ると山頂での強風が嘘のような静けさで、いつの間にか広がった雲で日差しは無くなっていたが寒さは感じなかった。出発時は凍結してツルツルだった廃林道入口のアスファルトの氷は完全に溶けていた。



・戸田峰は思ったよりも楽に登ることができた。ただし雪解けが進んで廃林道から尾根に乗り移ってすぐは雪は無く、残りの雪も少ないので来週にはさらに藪が出てきてしまうだろう。週間予報では今週は気温はずっと高めで推移するとのことで、賞味期限はあと2週間程度ではなかろうか。富山の標高が比較的低い藪山の残雪期はもう少しで終わってしまいそうだ。場所を変えながらなんとか大型連休くらいまでは雪を利用して藪を回避できる山を選択したいが、今年は冬場の積雪は多かったが雪解けが早いかなぁ。

 余談だが、今回はスノーシューのビンディングを強く締めすぎて右足の指の腱を痛めてしまった。腱は足の甲の浅い部分を走っていて、長靴は柔らかいので締めすぎると腱にモロに力がかかって炎症を起こすらしい。歩くと痛みと共に腱がギシギシする何ともイヤな感触が3日間ほど続いた。これからは気を付けよう。ちなみに登山靴なら構造が固くて締め付ける力が足全体に分散するのでこのようなトラブルは経験したことは無い。

 

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